起業前に読んでほしい!VRIO分析で自社の強みと有効なリソースを把握する方法
店舗を開業する際、自社が持つリソースや強みが市場でどれだけの競争力を持つのかを把握することは重要です。特に、開業時の限られたリソースでどこに力を注ぎ、どのように他社との差別化を図るかは、多くの方にとって大きな課題ではないでしょうか。
この記事では、VRIO分析というフレームワークを活用して、店舗開業時に自社のリソースを評価し、優位性を見つける方法をまとめています。価値、希少性、模倣困難性、組織力の4つの視点から、自社の強みを明確にし、それをどのようにビジネスに落とし込んでいくのかについても紹介しています。
VRIO分析が店舗開業時に役立つ理由
VRIO分析は、企業が持つリソースや技術がどれだけ優位性を持っているかを評価する際に役立つフレームワークです。店舗を開業する際、この分析をうまく活用することで、自社の強みの把握や、どのリソースをさらに強化するべきかの判断の助けになります。
店舗開業前に見てほしい!ファイブフォース分析で業界リスクを見極める方法
なぜVRIO分析が役立つのか?
1.価値のあるリソースの特定
VRIO分析の最初の要素は「価値(Value)」です。これは、企業が持っているリソースが市場でどれだけの価値を提供できそうかを評価するものです。どのリソースが事業のメインとなる収益に直結しているのかを明確にできます。価値のあるリソースを特定することで、今後その強みをどのように活かすべきかが見えてきます。たとえばシンプルな例を挙げると、ある技術や製品が顧客にとって非常に価値がある場合、その市場での強力な競争力になり得ます。
2.希少性の評価
次に、「希少性(Rarity)」を評価します。これは、そのリソースが他社にはない希少なものであるかを確認するものです。希少なリソースを持つことも、優位性を確保するために重要です。たとえば、自社にしかない技術や希少価値の高い材料などは、他社が簡単に持つことができないため、重要な資産となります。
3.模倣困難性の評価
「模倣困難性(Inimitability)」は、あるリソースや技術が他社に簡単に模倣されないかどうかを評価します。独自の開発技術や、長年運営で蓄積されたノウハウは、優位性を維持するための大きな強みとなります。市場でも優位なポジションを維持するのに役立つリソースを特定し、他社が真似しにくい戦略を構築することが重要です。
4.組織力の評価
最後に、「組織力(Organization)」を評価します。これは、企業がそのリソースを効果的に活用できる組織体制を持っているかどうかを評価するものです。優れたリソースがあっても、それを活かす組織力がなければ、競争に負けてしまうかもしれません。適切な組織体制やプロセスが整っているかどうかを確認することで、リソースを最大限に活用し、全体としての力を高めることができるでしょう。
VRIO分析の活用例:美容サロンの立ち上げ
VRIO分析を使って美容サロンを例に強みを評価してみましょう。
1.価値(Value)
あるサロンは、最新の美容トレンドを常に把握し、最新の美容技術や製品をいち早く導入することを心がける事で、独自の価値を提供しています。さらに、顧客ごとにカスタマイズされた施術プランや定期的なフォローアップも、顧客満足度を高め、サロンの価値を増大させています。
2.希少性(Rarity)
美容業界のように技術力で希少性を出しにくい場合は、取り扱う商材や店舗の立地、在籍するスタッフなどで希少性を演出出来るかもしれません。早い段階で状況を正しく評価することも経営をするにあたって重要になってくるので、情報や状況をもとに「希少性が出しにくい業界」と認めることも必要かもしれません。
3.模倣困難性(Inimitability)
サロンの全てのスタッフが、美容系以外の特別な研修を受けており、その技術や知識が顧客から高い評価を受けているとしたら、美容学校を出た一般的なスタッフは持ち得ないスキルや知識なので模倣困難性が高いと評価できるかもしれません。
4.組織力(Organization)
とても難しいことですが、全スタッフがサロンのブランドを深く理解して顧客のニーズを満たす技術を持っていて、高い集客力のあるマーケティング戦略や採用と人事もしっかりと意識した仕組みがあるとしたら組織力があると評価できるかもしれません。難しいですが、、、。
まとめ
このようにVRIO分析は、自社の強みを具体的に把握し、どのように活かすべきかの戦略を立てる際に役立ちます。開業時には限られた自社のリソースを最大限に活用するために、VRIO分析の活用が助けになるかもしれません。分析系のフレームワークは、分析をして終わるのではなく、その情報をもとに具体的な戦略を練ることが重要です。皆さんも活用してみて下さい♪