文章の構成方法【広報誌作成編】①
一般的に広報誌や社内報などの冊子は、文字や写真、イラストで何かを伝える手段です。
最近は、個人で作る冊子として「zine」も流行ってますよね。それくらい、「文章を用いて表現する」ということが、より身近なものになってきています。
冊子を作るにあたって大事なことは、「作りたい!」という気持ち。まずは、あなたが「作りたい!」という気持ちを持っていることが大前提です。
しかし、作りたい気持ちはあるものの、具体的に何から取り掛かればいいのかわからない、という方もいるかと思います。
そんな方に向けて、今回は「冊子を作る手順」について紹介していきます。
文章の構成方法1【前提を決める(目的・手段・発行日・対象)】
まずは、作成にあたり前提となる部分を決めていきます。
前提となる部分、つまり、作成にあたっての共通認識です。 1人ではなく複数人・チームで作成していく場合、特に重要な部分になります。 目的、手段、発行日、対象。
この4点をしっかりと決めてから、文章を書いていきましょう。
では、上記4点について、詳しく見ていきます。
【目的】
まずこれが1番重要。
「目的=冊子をつくる意味」です。
誰かに何かを伝えたいからつくるのか、はたまた自己満足のためなのか。 (後者の場合、手順等気にせず思うままに作成しても問題ありません。)
そして、その冊子を通して、どのような効果を期待しているのか。
例えば、「自分の好きな本を紹介して、いろんな人に知ってもらいたい」、「仲間の親睦を深めるためにつくる」、「交流会やイベントなどの参加率をあげるためにつくる」等、様々なものが挙げられることでしょう。
上記のような「目的」を明確にしないと、作成するにあたり、芯がブレてしまいます。
そのため、文章を書いていく際は、初めに決めた、この「目的」を常に頭の片隅に置いておきましょう。
【手段】
これは何を使って作成するのか(文書ソフトやアプリ等)という意味合いも含まれますが、それよりは、完成したものがどのような媒体で提示・展開するのか、という意味です。 紙媒体なのか、データなのか。そこの違いで、ページ配分や、見開きだからこそ活かせる効果を活用できるか否か、が決まります。
例えば、紙媒体での冊子作成で、ページを余すことなく見開きの冊子展開にする場合、4の倍数のページ数である必要があります。
また、最初と最後のページは、それぞれ、表紙・裏表紙となるため、それを考慮し、見開 きとなるページを考え(例えば、2ページ目と3ページ目は、見開きとなる)書きたい項目・テーマの配分等も考えていく必要があります。
データの場合、展開方法によって異なってきますが、PDFでの配信などになると、ページ 数の規定も特になく、自由に作ることができると思います。
【発行日】
冊子の発行日を決め、そこから逆算して原稿を書いていく必要があります。
原稿作成過程については、後で詳しく記載しますが、初稿・校正等、原稿完成までの各段階の締め切り日も決めておいたほうがいいでしょう。
これらの締め切りも、発行日から逆算して決めていきます。また、各締め切り日は余裕を持って決めるのがいいでしょう。
特に、数人で作成する場合、一人でも提出が遅れてしまうと、次の作業ができない、ということが起こり得ます。
そういったことが起こらないように余裕を持って、且つ、皆が実行できる締切日を決めていきましょう。
【対象】
ターゲットとも言えます。
今回作成する冊子は、誰に向けて作るものなのか、明確にしましょう。
性別や世代、職業等、細かく決めることができる場合は、対象となる像を細かく挙げていきましょう。
対象を明確にすることで、その対象に対して効果的な見出しや言い回し、デザイン等が決まっていきます。
目的・手段・発行日・対象の4点は、冊子を作成する上での核となる部分です。 これらをしっかりと決めることは、作っていきたいものを明確にすることにも繋がります。
前提となる4点が決まったら、次は、冊子の中身について決めていきます。
文章の構成方法2【企画とページ数の選定】
1.で決めた【目的】を念頭におき、書きたい企画(テーマ・章立て)を決めていきます。
複数人で作成していく場合は、それぞれやりたい企画を持ち寄り、その中からいくつか選ぶ、という手段を取ると良いかもしれません。
いくつか企画を出し、選んでいく場合は、「企画タイトル・企画内容・この企画をしたい理由・予定ページ数」
これらの情報があると選定しやすいです。
ページ数についてですが、【手段】で挙げたように見開きの冊子展開にする場合、総ページ数が4の倍数になってくるかと思いますので、それも踏まえて、総ページ数を決めていきます。
これについては、総ページ数を決めてから、企画数を決める、という順番でもいいかと思います。
この段階で決めなければいけないことは、以下3点になります。
・企画。
・総ページ数および、企画に割り当てるページ数・ページ配分(掲載順)。
・各企画担当者。
そして、複数人で作成する場合に限り、冊子作成に当たっての各役割を決める必要もあります。
大まかに今回の作成にあたってのリーダー(編集長)、サポート(副編集長)は決めておいた方がいいでしょう。
チームで何かを作る際、やはり、まとめ役がいた方が統率がとれ、各自動きやすくなります。
リーダーといっても、主にやっていただきたいのは、記事の提出先となることや、締め切りのリマインド、それぞれの進捗状況の確認、記事の確認、記事の統合、*冊子の総合デザイン等です。
リーダーもメンバーと同じように、記事作成をしていくと思いますので、負担となるようであれば、サポート役の人と分担して役割を担うといいかと思います。
そして、リーダーやサポートの役割を担う方は、締め切り厳守を徹底する必要があります。
目的を持って何かを作成する際、発行日を決めたのであれば尚更、締め切りはとても重要になってきます。
自分の技量を考え、締め切りまでに日々どのくらいまで進めておけばいいのか、ペース配分を考えて実際に進めていく、ということも求められます。
そういったペース配分を考えるのが苦手な人もいるでしょう。
そのような人のサポートをするのも、役割者の務めかと思いますので、都度、各メンバーに進捗状況を確認するのがいいでしょう。
(*冊子の総合デザイン:これについては、デザイン担当の人がいてもいいかもしれません。その際は、リーダーと連携をとって記事のデザインをしていく必要がありますので、その連携がしっかりと取れる人の方が良いです)
目的・手段・発行日・対象、そして、企画(テーマ・章立て)とページ数、担当者が決まりましたら、次はいよいよ執筆作業に取り掛かります。
文章の構成方法2.5【取材】
書く題材によって取材が必要な場合は、執筆の前に取材作業があります。 取材については、簡単に、気をつけること等記載しておきます。
まず、取材に行く前に、事前にある程度の前知識を持って、取材に行きましょう。(場所等の場合は、ホームページを見るなどして、少し調べたらわかる内容についてはメモ等活用し、ある程度は頭に入れておきましょう。)
そして、聞く質問を多めに用意しておくことで、執筆の際、文章全体のバランスを考えて文章を構成していくことができるので、オススメです。また、「事前に調べた内容で深く知りたい」と思った内容については、質問の際に聞けるよう、用意しておくといいでしょう。
そして、取材の際は、写真を撮るのもお忘れなく。
インタビュー記事を作成する際は、取材風景の写真を加えることで、読み手に取材の様子が伝わりやすくなります。
また、できるのであれば、ボイスレコーダー等で、取材の内容を録音しておくと良いでしょう。(もちろん、相手の方に許可を取ってから使用して下さい)
話をしながらメモを取るのは、大変な作業となります。
実際に取材する際に、話の内容全てをメモしようとすると、書くことに必死になる恐れがあり、相手にも失礼に当たります。そのため、メモは重要なワードを漏らさず書く程度にしておき、取材の際は、相手の目を見てしっかりと話を聞きましょう。そして、録音したものを再生し、全て文字起こしをして必要部分を抜粋して執筆していく、という方法が一番確実かと思います。(しかし、これも人によって合う・合わないがあるやり方ですので、あくまで一例として挙げておきます。)